人生で梅との関わり合いは少ないのですがどこかで収穫した記憶があるものの場所が思い出せません。梅の実を摘みながら「どこかで同じことした記憶があるなぁ」と思い続けるも全く思い出せませんでした。たぶん長野県か和歌山県か…。
こういうことに興味がないとどこまでも無縁ですがスーパーで売られる様子を見て「少し季節感を感じられることをしたなぁ」なんて思っていました。
当日父親が「コレとアレの梅を摘んで帰ろうよ」なんて言うものですから摘みはしましたが、1つの木は梅の木かどうかも怪しい実で謎の大木。途中で「この木切ろうや」なんて予想外の展開に疲れました。
結局収穫したのは1本の木から約8キロぐらいを収穫して終了。
摘み残しも沢山ありましたがハッスルし過ぎると日が暮れるので撤収しました。
黒星病や虫食いも多数だけと自然放置栽培完全無農薬
ただ「黒星病(クロボシビョウ)」とおぼしき状態の実も多数です。早い話がカビなんですね。文字通り「梅雨」でカビが生えやすい時期です。このジメッとした季節に梅を摘める農家さんのニュースも流れる時期。この時期はとても管理が難しくタイミングを逸すると菌が風に乗って実に付着して痛めつけてくれます。
いわゆる「足が早い」季節なので収穫したらできるだけ早く加工しちゃう方がいいわけですがひとつひとつを水荒らしいして水分が残ると余計カビ易くなりますし、トントンと進めないとダメージが増すばかり。
ひとつひとつのヘタをつまようじで取り除く作業など、なにかと手間です。
梅干しには赤紫蘇(シソの葉)も必要なので慌てて車を出して近所のスーパーをハシゴして状態の良さそうなものをゲット。準備が整ったら水荒らしいし、ある程度水分を飛ばしたらいよいよ梅干しの仕込みと相成るわけですが、こういうことを平然と淡々とこなす母親というのも偉大だなぁなんて感じる時間でした。
夕食後両親が交代でヘタを取り除き、水洗いし、翌朝には瓶詰めされておりました。なんという手際の良さ。母親曰く「テキトー」とのことですが、とりたてて何かの説明書を読んでいるわけでもないのにあっという間に完了てしおりました。
まぁ私は好んで食べるタイプではないのですがこれもひとつの食文化ですよね。上に重石を置いているとだんだん漬かってくるわけですが母親曰く「1週間ぐらいで上まで水分が上がってきたら概ね成功」なんて言ってました。
なんと申しましょうか…こういうことを目にする機会が一切なくなったといってもいい時代ですからたいして珍しいことでもない工程が面白く感じました。「そのうちこういうことをして食べる人もおらんよーになるやろーなー」なんて会話しながら様子を眺めておりました。
気がつけば柿、柚子、銀杏、ブルーベリー、お茶、梅など色々なものを育てて人生を楽しんでいたことに少々驚き。両親共に田舎育ちとはいうものの「自然を無意識に理解できるというのは大切なことだなぁ」と感じる日でした。