父親が「スムシ、スムシ」って説明してくれる言葉が理解不能で調べたらハチノスツヅリガ(Galleria mellonella)の幼虫ということが分かってやっと会話が成立しました。訳すとギャラリーメロレラ。高価な絵画が飾ってあるようなお店の雰囲気がします。このスムシがブンブンの敵だそうで中には「クマより怖いスムシ」とか書かれているブログもありなかなかの天敵なんですね。ハニーワームと聞けば釣り餌のアレか!というアレです。
その会話の発端は「そもそもいつ頃ハチミツを奪取するの?」と聞いたらあっさりと「普通は9月頃だけどスムシが増えてかなわんから7月中かな」とか言うので「オイオイ平均より2ヶ月も早く回収するのかよ(心の声)」と思ってスムシが気になり始めました。実のところこの文を書いている最中にスムシもハチノスツヅリ蛾も見ていません。とにかく自分が全く興味がないことを客観的に聞いて出会った時の心構えを勉強してるだけです。
来年のことを言ったら鬼が笑うようなレベル。
皆様の英知をパッチワークすると…
・15-20℃で繁殖し始め、それを越すと増殖し始める
・スムシはミツロウを食べ巣箱自体も食い散らかす
・スムシはプラスチックの消化酵素をもっているらしい
・コマユバチはスムシに寄生して子孫を残す
どこでもこんなことが書かれていました。ほとんど同じことが書かれていたので皆様同じ悩みをお持ちのようですね。うちの父親は手を抜いて早めにご馳走にありつこうという作戦のようです。この程度の情報では物足りなかったので英語で探し始めたらブリタニカ百科事典に到着。子どもの頃以来久しぶりに聞くキーワード。
そこで目にしたのが日本語読みだとパイラリッドモス(スムシ)。モスラのモスです。どうもみつばちにたかるモス(スムシ)は「Greater wax moth」とか「honeycomb moth」と呼ばれてるそうで…どのタイプのスムシも害虫的書かれようです。
成虫は地球上で一番の聴力の持ち主のようで「300,000ヘルツに近い音の周波数を聞くことができる」って驚愕の察知能力。人間は20,000ヘルツが限界だったと思うので見た目と違って凄いヤツということです。遥か彼方からのエコーロケーションも察知できるとか…何者!
ついつい成虫の生態が面白くて横道に逸れました。この解決策を見ていたのですが結論から言えば打つ手なし。このスムシ苦慮最大の要因はブンブンが弱小群になっておりミツバチのコロニーを強勢群化させることが大切だろうと書かれていました。なるほど。では弱小群と強勢群の差はどれぐらいなのさ?と思ってブリタニカ検索すると養蜂のページに「越冬した1万〜2万羽が5万〜6万羽になる…コロニーを強くするには燻蒸し、涼しく風通しのよい状態にしろ」みたいなことが書いてありました。たぶん趣味で楽しんでるレベルは弱小群ということなんでしょう。
そもそも「5万ってどんな数よ?」と思ってYouTubeを検索したら「アパートの壁裏にミツバチ」みたいな動画が出るわ出るわ。確かに直射日光も当たらないし害虫との距離も保てそうな気も…。
この動画は都会での西洋みつばちですが感覚的に巣箱がパンパンの状態が5万だろうと推察。最低でも2万は必要!みたいな記事もありました。
色々情報を漁りまくった私の結論は「巣箱より周りの環境がポイント。人間の都合に合わせくれというのが無茶」です。巣箱も蜜の取り出しやすさや巣落ちよりもみつばちにとって快適かどうかが優先。テクニックより自然な快適さ追求型で楽しみたいところ。元々自然界の調和が食物連鎖でも維持できていたのに「あっちが増えたり、こっちが減ったり」というのは人間の仕業でもありますし…来年に向けてフィールドにご馳走を用意して元気にブンブンできる環境にしてあげたいと思っています。ハチノスツヅリガも生存に必死でしょうしね。
この暑さは人間でも体力が激落ちするのにみつばちはブンブンして外気を巣箱の中で循環させるそうで…体力仕事。体力をキープできる環境…温度調節に屋根、日陰、風通が大切な気が…。人間も体力があれば病気の手術はできますが体力がなければ手術もできない。
ところでトップの画像ですが先日草刈りしていた時に巣箱の周りに散乱していた恐るべき一枚。たぶんコエビガラスズメという種類の蛾ではないかと思います。スムシどころか大人の親指よりも大きなモスラの残骸を見て「こんな死骸がゴロゴロしててミツバチなんて居るのか?」と思いきや巣箱にはブンブン。当初7月に回収予定だったハチミツは8月の回収にずれ込みました。どうやら強勢群化している巣箱のようです。それはまた次回に書くとします。